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韓国ソウルから札幌に移住してから、そろそろ10年。この街にここまで長く住むことになるとは、自分にも予想できなかった。それは、住めば住むほどこの街の魅力を感じられるからだといえるだろう。毎日が新しくて、人情で溢れる街。本当に心からそう思う街。
　今回の取材にあたって、一度、財布を事務所に置き忘れたまま、車を駐車場に入れて取材先に行ってしまったことがあった。仕事が終わり車を出そうとしたら、当然ながらお金がなくて出られない。１時間近く歩いて事務所まで戻り、財布を取ってこなければならないピンチ。駐車場のスタッフと交渉してみるが、後支払いはできないという返事だけ。困ったものだ。焦ってうろうろしていたら、スーツを着たサラリーマンが声をかけてくれた。
「お困りですか？」。もちろんそうだったので、簡単に今の状況を説明した。そうしたら、彼は何の迷いもなく、十分なお金を渡してくれた。突然のことで戸惑っていたら、彼はそのまま信号を渡って去ってしまった。本当にありがたい。本当に助かった。お礼をしたいが、名前を聞くことも、名刺を交わす時間もなかった。しかし、本当に助かった。その後、この経験はずっと心の中に残っている。できれば、いつか感謝の言葉やお礼をしたい。札幌は観光地である以前に、暖かい人で溢れていて、素敵な雰囲気をおおらかに発散する街に違いない。
　プランプラスではエディターである私が、私の視点で感じたものや知識を話として読者に披露する形式をとる。主観的すぎて、勝手な話に聞こえるときもあるかもしれないが、この世の中で真に客観的なものなどあるだろうか？　私はそんなものはないと思う。それよりも、心から良いと思ったものを伝えることが何より重要で、旅行を楽しくしてくれるのではないか。私が感じたもの、見たものを実際に体験してみて、共感でき、さらに新しいものが発見できたら最高のことだと思う。これから、外国人であるウン ヨンジュンが札幌を紹介する。一緒に歩き、探検し、遊び、味わい、札幌の魅力に触れてほしい。観光地としての札幌ではなく、真の札幌に出会ってほしい。